不眠症は5人に1人の国民病!睡眠をサポートする食品やサプリメントの賢い選び方
現代の不眠症は国民病?
精神疾患の随伴症状であることが多い不眠。しかし現代の日本人は健常者でも不眠に悩む人が増え、今や国民の5人に1人は不眠症であることが厚生労働省の発表で明らかになりました。
日本では、一般成人のうち約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚しているとの調査結果があります。こうしてみると、成人の5人に1人、つまり1500万~2000万人の人が不眠に悩んでいると推計されます。背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなどがあるのかもしれません。
⇒ 【リラクミン】(天然 メラトニン サプリメント) 不眠で睡眠薬・睡眠改善薬・睡眠導入剤に頼りたくない方へ 睡眠サプリですメラトニン/バレリアン/テアニン/タルトチェリー/サプリ/セロトニン/更年期
睡眠の役割
睡眠は人間の三大欲求の一つ。睡眠をとらないことは生命に関わる問題です。そんな睡眠の働きと不眠が及ぼす心身の影響について簡単にまとめてみました。
1.脳を休ませて記憶を整理
記憶には長期記憶と短期記憶があります。脳の海馬という分野で短期記憶は記憶され、放っておけばいずれ消えていく記憶です。長期記憶は阻害するものがなければ一生忘れない記憶となりますが、短期記憶から長期記憶へ移行するためには質の良い睡眠が鍵となります。
2.皮膚の再生
皮膚の再生に関わる成長ホルモンが脳下垂体から多く分泌されることにより新陳代謝が活発になり、皮膚にも栄養が生き渡るようになります。皮膚の新陳代謝が活発になる時間は22時~2時の間。美容のためにも健康のためにもこの時間に眠ることが理想だという話はよく耳にしますよね。
3.免疫力を高める
成長ホルモンは一日の活動の中で傷ついた臓器や筋線維を修復し、皮膚や粘膜、免疫細胞の新生を促します。免疫機能はさまざまな病原体から身体を守るため必要不可欠な機能ですが、睡眠時間が減ると成長ホルモンの分泌が低下することよって免疫力が低下してしまいます。
4.血流を促進
睡眠中は副交感神経が優位に働くため血管が拡張し身体の隅々まで血液が行き渡ります。睡眠時間が減ると血流が滞り、手足の冷えや首や肩こりの原因に。
睡眠をサポートする食品と成分
睡眠薬を飲むほどの不眠ではない人の場合、日常生活の工夫で睡眠の質を向上させ不眠を解消することが理想とされます。一番はストレスを抱えない生活を送ること。しかし、ストレス社会のこの世の中じゃなかなか難しいですよね。今回は日々の食事やサプリメントで補える睡眠をサポートする栄養成分を紹介してみようと思います。
セリン
プロセスチーズや本マグロの赤身などに多く含まれる非必須アミノ酸の一種で、ストレス性不眠の解消や睡眠の質を高める効果があります。
テアニン
アミノ酸の一種で緑茶などに含まれる旨味成分。小腸で吸収され血中に入り、血液脳関門を通過して神経機能を調節する働きがあることからリラックスに役立つとされています。
バレリアン
神経を鎮め、眠りを深める植物として古くから用いられているヨーロッパ原産のハーブ。脳の中枢神経を穏やかに抑制する働きもあり、神経伝達物質GABAの働きに関与し、緊張の緩和や睡眠の改善に役立つことが報告されていますが、向精神薬(特に睡眠薬と抗不安薬)と併用することで薬の効果が増強する可能性があるため注意が必要です。
GABA(ギャバ)
発芽玄米に多く含まれることで知られるアミノ酸の一種で、神経伝達物質の一つとして脳内に存在します。加齢とともに減少すると物音に敏感になるなど、眠りを浅くする一因になることも。
ホップ
ビールの苦味成分として広く知られ、古くから不眠の悩みに役立つとして人々に愛用されてきたハーブ。全身の筋肉の緊張を解す働きの他、神経の鎮静作用とリラックス作用があるため、バレリアンと組み合わせて摂ると相乗効果で睡眠の質がさらに高まるとされています。
エビオス錠はホップのサプリメントではなくビール酵母のサプリメントです。どちらかと言えばビタミンB郡が豊富なサプリメントかな。
グリシン
非必須アミノ酸の一種。食品の添加物として用いられることもあります。最近の研究でグリシンが睡眠の質を向上させる作用があると発表されました。
ビタミンB郡(ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸)
- ビタミンB6は眠りを誘うメラトニンを形成する元になるトリプトファンの代謝に必要不可欠になります。
- ビタミンB12は睡眠サイクルの乱れを整えます。
- ナイアシンは不眠に伴う抑うつ状態の改善に役立ちます。
- 葉酸はビタミンB12と協力して働き、疲労からくる睡眠障害の改善の手助けをします。
「そこまで神経質にならなくて良い」と主治医は言っていたのですが、葉酸は気分安定薬のラミクタールとの飲み合わせが悪いので注意が必要です。
複合型の睡眠サプリメントもあります
⇒ 11種類の休息成分配合で毎日ぐっすり!|ネムリス-nemlis
こちらのサプリメントは上記に記載したバレリアンやGABA、テアニン、そしてセロトニンやメラトニンの元になる必須アミノ酸のトリプトファンが配合されたサプリメントです。一つずつサプリメントを揃えるのは面倒くさいと感じる人向け。しかし向精神薬を服用中の人は併用には注意して下さいね。理由は下記に記載しました。
バレリアンも同じく、この手のハーブ系サプリメントは結構においがキツいです。実はこのサプリメントを以前モニターとして試したことがあるのですが、サプリメントを手に取ったその手まで臭くなるというサプリメントマニアな私でもヘビー級の臭さだと感じる代物でした。そう言えば、蓋を開けていないのに容器の外側まで何とも言えないにおいを放っていたような…。
そもそもサプリメントとは?
サプリメントは薬とは違い、ジャンルとしては食品扱いになります。食品の中でも「健康食品」に分類されています。
薬 |
医 薬 品 |
病気の予防・治療に用いられる。医師の処方箋が必要となる医療用医薬品と、処方箋がなくても薬局や薬店などで購入できる一般用医薬品がある。 | |
健 康 食 品 |
保 健 機 能 食 品 |
特定保健用食品(トクホ) | 国により、製品ごとに栄養素の機能の有効性と安全性が審査されているもの。 |
特別用途食品 | 乳幼児、妊産婦、高齢者、病気の人などの発育や健康の保持・回復に適するなど、特別の用途を表示しているもの。 | ||
栄養機能食品 | 12種類のビタミンと5種類のミネラルの補給のために利用される。表示できる栄養成分と量に基準がある。特定保健用食品とは異なり、国による個別の審査を受けていない。 | ||
保健機能食品以外 | 国によって機能の表示が認められていないもの。 |
表の背景色がピンクの箇所がいわゆるサプリメントと呼ばれる種類になります。
サプリメントの選び方
成分名が明確に表示されているか
「○○エキス」など、具体的な原材料名が不明なものは安全性が確立されていない可能性があります。しっかりと原材料名が明記されているものを選びましょう。
成分の含有量が明記されているか
含有量が明確に表示されていない場合、製造側の品質管理ができていない可能性が考えられます。
メーカーの問い合わせ先(相談窓口)が確認できるか
通常は食品衛生法により成分や含有量について気になることや不都合があったときのために問い合わせ先を表示するように定められています。
海外製のサプリメントの利用は自己責任で
海外製のサプリメントの中には、薬の成分が添加された「無承認無許可医薬品」が出回っている危険性があります。薬の成分や含有量によっては重い健康障害を受ける可能性も考えられます。
だからと言って日本製が安心・安全とも限りません。サプリメントの分野に関してはアメリカの方が先進国。
そんなアメリカでこんな発表があるくらいなので、何を信じるかは自分次第ですね。
サプリメントはあくまで「補助」として利用する
本来、栄養素は日々の食事から摂り入れるべきもの。バランスの良い食生活を心がけていれば栄養素が極端に不足することがないのですが、うつ状態になって寝込みがちになると不規則な食生活になりますよね。そういった食生活が乱れそうなときに不足した栄養素を補う意味でサプリメントを飲むのなら良しとしても、サプリメントを飲んでいるから食事がいい加減になっても良いという解釈はあまりよくない考え方です。
サプリメントにも大なり小なり副作用はあります
水溶性ビタミンB・Cは2~3時間後には体外へ排泄されるものの、脂溶性ビタミンA・D・E・Kなどは摂取した分だけ体内に蓄積するため、過剰摂取することにより健康被害を招くことがあります。特にサプリメントと薬との併用は注意が必要になってきます。
持病の薬とサプリメントを併用する際の注意点
また、持病があって薬を服用している人がサプリメントを併用する際は、必ずかかりつけ病院の医師や薬剤師にご相談下さい。薬の効果が減弱したり、場合によっては思わぬ副作用が出現する恐れがあります。
向精神薬と併用すると危険なサプリメントもある
特に抗うつ薬を服用されている方に警告したいのですが、抗うつ薬と一部のサプリメントを併用する際には注意が必要です。
セロトニンと似た働きを持つ成分は危険!
現在、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)のサプリメントが主に海外の通販サイトで販売されていますが、特に抗うつ薬との併用には気をつけてほしいです。
例えば第三世代の抗うつ薬であるSSRI。日本語に訳すと「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」という名称で、SSRIはシナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状や不安の改善を目指す薬になります。
SSRIを服用した状態でセロトニンの元となる5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)のサプリメントを摂取すると、脳内のセロトニン量が増え続け、セロトニン症候群に陥る可能性があります。
聞き慣れない「セロトニン症候群」とは?
セロトニン症候群とは、脳内のセロトニン濃度が高すぎることによって引き起こされる症状の総称で、体温の上昇、異常発汗、緊張、高血圧、心拍数の増加、吐き気、下痢、振戦、焦燥感などがあります。そして最悪の場合は死に至る可能性も。
セロトニン症候群の発症リスクを高める要因となるもの
セロトニン症候群が生じやすいものとしてSSRIなどのセロトニン作動性抗うつ薬の大量摂取や多剤併用時に発現することが多く、それらの抗うつ薬を増量したり、他の抗うつ薬を追加した場合に上記の症状が認められたときはセロトニン症候群を疑う必要があります。さらに稀ではありますが双極性障害(躁うつ病)の治療薬でもあるリーマスでも発症例の報告があります。炭酸リチウムは抗うつ薬ではなく気分安定薬ですが、脳内のセロトニンを増強させる作用があるのです。
ただでさえ副作用の発現率が高い向精神薬。むやみに神経伝達物質の元になるサプリメントは飲まない方が良いのかもしれません。
海外ハーブの定番「セントジョーンズワート」も危険です
セントジョーンズワートの海外ハーブのサプリメントもSSRIと同じ作用機序を示すという仮説があるため、向精神薬との併用は危険だと思われます。もし併用したい場合はかかりつけ病院の医師や薬剤師に相談しましょう。
セントジョーンズワートと併用すると危険な薬は他にもある
実はセントジョーンズワートと併用すると副作用が出現したり、効果が減弱してしまう薬はかなり多いです。
一部の抗てんかん薬、気管支拡張薬、強心薬、抗不整脈薬、卵胞ホルモン薬、血液凝固防止薬、免疫抑制薬、抗悪性腫瘍薬、抗HIV薬、抗真菌薬、解熱鎮痛薬、テトラサイクリン系抗生物質、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、トリプタン系片頭痛治療薬、経口避妊薬など
そんなわけでセントジョーンズワートは持病がなくて定期的に薬を服用していない人向けのサプリメントなのかもしれません。
まとめ
向精神薬を服用中の人が上記で取り上げたサプリメントを選ぶなら、バレリアンやセントジョーンズワートなどの海外ハーブ系のサプリメントは控えて、ビタミンやアミノ酸のサプリメントに留めておく方が良いでしょう。